文系でもわかるレオロジー
- その1 レオロジーとは何ぞや?
- その2 非ニュートン流体って?
- その3 チキソトロピーとレオペクシー
- その4 粘弾性とワイゼンベルク現象
- その5 粘度計とレオメーター
- その6 粘度計とレオメーター(2)
ハチミツ、マヨネーズ、ケチャップ、クリームチーズをレオメーターで測定!
その6 粘度計とレオメーター(2)
前回、粘度計の種類と特徴についてお話しました。今回はレオメーターについてお話します。レオメーターとは高性能の回転式粘度計です。では、広く一般に使われている回転式粘度計のB型粘度計とどう違うのでしょうか?
B型粘度計では回転数を変えることが可能ですが、6、12、30、60回転/分といった特定の回転数にしか設定できません。これに対しレオメーターでは、回転数を自在に変化させながら、その瞬間の粘度を測定することができます。つまり急激に流動させた場合の粘度変化や、徐々に静止させていったときの粘度変化を測定することが可能なのです。ニュートン流体なのか、非ニュートン流体なのか?さらに、非ニュートン流体の場合、ビンガムなのか?擬塑性なのか?はたまたチキソ性を持つのか?といったことまでも正確に知ることができるのがレオメーターなのです。
それでは実際に、粘度の違うハチミツ、マヨネーズ、ケチャップ、クリームチーズをレオメーターで測定してみます。レオメーターでの測定では、加える力を変化させたときの連続的な粘度変化をグラフとして得ることができるため、下記のグラフのようになります。ハチミツはほぼニュートン流体のため、与えた力が大きくなっても粘度はほとんど変化しません。一方マヨネーズ、ケチャップ、クリームチーズは、与えた力が小さいときには粘度が高く、与えた力が上がるにつれて粘度が下がる、いわゆる擬塑性流体です。三者三様のグラフですが、いずれもハチミツのグラフと交わっていることから、ある特定の条件での測定では、ハチミツと同じ粘度を示す流体ともいえます。極端な話ですが、レオロジーを知らずにこのピンポイントのデータのみを信じてしまうと、粘度はハチミツ=マヨネーズ=ケチャップ=クリームチーズという、おかしなことになってしまいます。
流体を扱うにあたり重要な因子である粘度は、与える力と温度によって千変万化するため、その流体の性質、すなわちレオロジーにおける流動特性を知ることが重要です。そして、レオメーターはそんな流動特性を、より正確に知ることのできる粘度計なのです。
HOME > かくはん塾 > 文系でもわかるレオロジー > その6 粘度計とレオメーター(2)