文系でもわかるレオロジー
- その1 レオロジーとは何ぞや?
- その2 非ニュートン流体って?
- その3 チキソトロピーとレオペクシー
- その4 粘弾性とワイゼンベルク現象
- その5 粘度計とレオメーター
- その6 粘度計とレオメーター(2)
ねばねば〜〜〜納豆で実験♪ ワイゼンベルク現象をご紹介します。
その4 粘弾性とワイゼンベルク現象
「文系でもわかるレオロジー」も4回目、折り返し地点です。そこで今回はまず、これまでのおさらいから始めましょう。
レオロジーは、物体の変形と流動を扱う学問です。特に流体については、ニュートン流体と非ニュートン流体があるとお話しましたよね。実はもう一つ、「粘弾性流体」というものがあります。今回はその粘弾性流体についてお話します。
まず、弾性について。
これは中学校の理科の授業でフックの法則として習ったように、物体に力を加えることによって生じた変形が、その力を取り除いたときに、元に戻るような性質をいいます。つまり、ゴムやバネのようなものが弾性体にあたります。
そして粘弾性とは、弾性体であるゴムのような伸び縮みする性質と、オイルのような流動とを兼ね備えた性質のことをいいます。身近なものでは、納豆の糸やとろろ芋のようなネバネバで糸をひくようなものがそれにあたり、力を加えることにより流動する性質を持ちながら、元の形に戻ろうとする弾性も持ち合わせているため、糸をひくような挙動を示すのです。
この粘弾性を持つ流体に、力を加えると非常に面白い挙動を示します。その中でワイゼンベルク現象について紹介します。
これは、粘弾性流体の中に棒を入れて回転させたときに、流体が棒に絡みついて這い上がっていく現象です。普段、目にすることは少ないのですが、高分子溶液のような粘弾性を持つ液体を攪拌するときには、高分子溶液が、シャフトに絡みつきながら這い上がる様子を目の当たりにすることができます (写真1)。
納豆やとろろ芋などの糸をひくようなものは粘弾性をもっているので、高速攪拌するとシャフトに絡みついてきます。実際にホモディスパーを用いて試してみたところ、思った以上に納豆はシャフトに絡みついてききました。納豆恐るべし!(写真2)
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