文系でもわかるレオロジー

流体を評価する装置、粘度計とレオメーターにも、いろいろな種類があります。

その5 粘度計とレオメーター

粘度とは、流体を動かそうとしたときの動かしにくさです。流体の粘度を比べるには、傾けたときの液の動き、手で触った感触、混ぜたときの力加減、食感やのどごし等、感覚で相対的な違いは捉えることができます。しかし、どれくらい粘度に違いがあるのか? といった絶対的な数値というのは、やはり粘度計で測定しなくてはわかりません。

さて、粘度計と簡単にいっていますが、いろいろな種類があり、様々な用途によって使い分けられています。まずは粘度計の種類と特徴を簡単にご紹介します。基本的な測定原理から、次の3つに分けることができます。

(1)細管式粘度計
細管に測定する試料を通し、流体が流れる時間(流量)と細管の両端の圧力差から粘度を測定します。最も古典的な粘度計で、細管内を試料が重力によって流れる時間を測定し、粘度を求めるのが一般的です。細管を流れ落ちる程度の試料、つまり水やサラダオイルのような低粘度のニュートン流体の粘度計測に用いられます。

(2)落球式粘度計
静止流体中での球の落下時間(速度)から粘度を測定します。(1)と比べ、蜂蜜や水あめのような高粘度のニュートン流体の粘度計測まで可能ですが、マーガリンのような降伏値をもつビンガム流体や、粘度変化のある非ニュートン流体の粘度測定には向きません。

(3)回転式粘度計
回転体が流体から受ける抵抗(粘性抵抗)を回転トルクなどから読み取ります。回転体の形により、共軸二重円筒型、単一円筒型回転式粘度計(B型)、コーンプレート型(E型)等があり、最も一般的に使われている粘度計です。回転数を変えることにより、試料に与える流れを変えることができ、非ニュートン流体の測定にも使用できます。



近年、この他にも流体中で振動子を一定の振幅で振動させるための駆動電流から粘度を読み取る振動式粘度計も使われるようになってきています。(1)や(2)の測定原理ではニュートン流体以外の測定には向いていないため、(3)の回転式粘度計が一般に広く使われています。さらに、この回転式粘度計の回転数を自在に制御できる装置がレオメーターです。

 

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