文系でもわかるレオロジー

ニュートンていう言葉、偉人伝でしか触れないと思っていました!

その2 非ニュートン流体って?

純物質というのは、おおむね、ニュートン流体と考えて問題はありません。しかし、ものを混ぜるという操作を行う攪拌機で扱う流体は、2種類以上の物質の混合物……、つまり、ほとんどが非ニュートン流体なのです。

非ニュートン流体とひとくくりにすれば単純ですが、そうもいかないのがレオロジーです。力のかけ方によって粘度が上がるもの、下がるもの、時間経過で粘度が変化するものもあります。また、読む本によって細かい定義が異なる場合もあり、説明が難しいのがこの非ニュートン流体です。
今回はそんな非ニュートン流体を身近な食品をまじえてざっと説明したいと思います。(^^)

非ニュートン流体は大きく分けて次の3つに分類されます。これとは別に、チクソトロピー、レオペクシーという厄介な言葉もありますが、これについてはその3で詳しく説明します。

■ビンガム流体(塑性流体 そせいりゅうたい)
バターはナイフで力を加えるとトーストに塗ることができますが、ある程度の力を加えないと動き出すことはありません。このバターを流動させるために必要な力を降伏応力といい、その値を降伏値といいます。特に降伏値を持ちながら、流れ出すとニュートン流体のように一定の粘度となる挙動を示すものを「ビンガム流体(塑性流体)」といいます。

■擬塑性流体(ぎそせいりゅうたい)
降伏値は持ちませんが、力を加えることにより粘度が下がるものを「擬塑性流体」といいます。力を加えるまでは高い粘度を示すため、あたかもビンガム流体のような振る舞いをします。マヨネーズやケチャップなど、チューブに入った身近な食品の多くは、これにあたります。

■ダイラタント流体
擬塑性流体とは逆に、力を加えることにより、粘度が上がる流体を「ダイラタント流体」といいます。代表的なものとしては、片栗粉と水を1:1くらいで混ぜ合わせたものがこれにあたり、現象として、そーっと流すと、水のように流れますが、これを棒でかき混ぜると、ぎゅっと締まって流れにくくなります。
以前テレビで、この片栗粉と水を混ぜ合わせたものの上で沈まないように、ジタバタしている白衣を着た先生の姿を見たことがあります。これはまさに、ダイラタント流体の特性(ダイラタンシー)を利用した現象なのです。興味のある方は一度お試しあれ!

 

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