Today's Notables 2013年08月

ヨーロッパ訪問記 その1

代表取締役社長 古市 尚


AABC Europe(Advanced Automotive Battery Conference、車載バッテリーのヨーロッパ会議)がフランスのストラスブルグで開かれました。AABCは元々アメリカで始まった会議体ですが、最近ではヨーロッパでも開かれるようになりました。展示会とは少し毛色が違い、講演が主体で、講演会場に隣接した展示会場では、講演が終わった後にフィンガーフードやビール、ワイン、シャンパンが出され、展示会場で懇親というスタイルで行われます。ご存知のように欧州の電池市場への販売はビューラーAGに委託しているので、今回も展示会場にはビューラーと共同で出展し、講演のセッションでは当社の大畠さんが講演を行いました。AABCの報告は大畠さんとシメルさんに任せることにして、私はストラスブルグに入る前にイタリアを訪問したことに関して書きたいと思います。
当社の開発会議でイタリアのボローニャに、かなり先進的なCIP 、SIPなどの機構を持った真空乳化機を製造している会社があることが議題で挙げられ、現在その会社とコンタクトを取っています。今までヨーロッパの会社には何度か直接アプローチしましたが、一度も良い返事をもらえていないので、今回は以前当社の関連会社だったFMIが一部輸入代理を委託している会社に橋渡しを依頼することにしました。会社の名前はTK EuropeでTKが付く会社名に、古くからの協力関係が分かると思います。それもそのはず、現在64歳のモリナリ社長が32歳の時にFMI(当時の会社名はTK食品機械)の支援を受けて設立したのがTK Europeであり、兄の古市 章もモリナリ氏とは家族ぐるみで親交を深めていました。商談の内容は省略しますが、流石にイタリア人同士で、ボローニャの会社との交渉は好意的に進んでおり、当社の技術者とともにその会社を訪問する日も遠くないと思われます。


リストランテ アル・ポルトの外観

入口近くに飾られていた坂井シェフ、片岡シェフの写真

巨大なミラノ中央駅

ミラノでの夕食にはモリナリ氏にアル・ポルトというお店に連れて行ってもらいました。店内に入ったところにはフランス料理の坂井 宏行氏、イタリア料理の片岡 護氏とそこのオーナーらが写った大きな写真が飾られていました。片岡氏のお店は西麻布にありますが、やはり店名はアル・ポルトである。それもそのはず片岡氏が若かりし頃、ミラノの日本大使館の料理人として働いていましたが、本格的なイタリア料理を習得したくて毎日アル・ポルトのキッチンに通って修行されたそうです。後に片岡氏が日本で独立する際に、ここミラノのアル・ポルトのオーナーに同じ名前を日本でも使いたいという依頼があり、真面目で一生懸命に修行をした片岡氏に快く、名前を使うことを許諾したそうです。ここは開業後すでに40年近くになるそうですが、その夜も満席で、予約は2カ月ぐらい前に入れないと取れないほどの人気店だそうです。もちろん、お味の方はモルト ベーネ(very good)であったことは言うまでもありません。
ミラノのアポイントからAABCまで週末をはさむこともあり、知り合いが働いているマラネッロを訪ねることにしました。エミリア・ロマーニャ州、モデナ県、マラネッロ市というと少しイメージが湧く人がいるかもしれませんが、マラネッロは非常に小さな田舎町です。が、ある人達にとっては世界一有名な小さな町です。知り合いというのは当社の東京支社、名古屋支社、大阪支社の設計、それに機械までもデザイン監修していただいている、Yuデザインの游佐さんの同級生で浜島さんという方です。(9月号へつづく)
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