Today's Notables 2013年03月

宴会、行事

代表取締役社長 古市 尚


年末や年始は忘年会や新年会などの集まりが多く、みなさんも乾杯や締めのあいさつをしなければならないことも多々あると思います。
先日、去年8月に入社した電池デバイス対策部PEACEのシメルさんと大阪日米協会の新年会に出席したときのことです。おっと、シメルさんとは昨年の6月にイリノイ大学の化学工学科を卒業した当社の新入社員です。日本人とドイツ系アメリカ人とのハーフで英語と日本語のバイリンガルです。ただ、人生の大半は海外で暮らしているので、知らない日本語とか風習があって、こちらも「そうかぁ」と考えさせられる質問を時々されます。

さて、話は戻りますが、宴会の終盤で司会者が「宴もたけなわではございますが、そろそろ中締めを……」と言ったときに、シメルさんが「中締め」ってなんですかと聞いてきた。う〜ん……。そう来たか!?その時は「中とか言っているけど、中間じゃなくてもう終わりってことだよ」と答えましたが、後日改めて辞書を引いてみると、実は載っていませ〜ん!辞書に載っていない日本語!?こんなのもいっぱいあるのでしょうねぇ。シメルさんが知らないはずですよ。これを読んでいる人にも知らない人がいるんじゃないですか?そこですぐに頼るのはネットです。大方の意見を集約すると、中締めとは「ここで一応締めて、まだ時間のある方はゆっくりしていってください。」ともとれるのですが、実はもうお終いだから帰ってくださいと言うのが本音という解釈が正解のようです。宴会が盛り上がっているときに「お開きです」とストレートに言うと「え!こんなに盛り上がっているのに」とブーイングが起こることを避けて、あくまで日本的に遠まわしに言う言い方とされています。

さて、ついでと言っては何ですが、締めのときに行う「手締め」についてもここで触れておきましょう。手締めは地方によってもそのやり方や表現が違うようです。私もシメルさんのことは言えず、15歳の時から東京に住んでおりますので、関西のことで知らないことも多いのです。手締めとは「手打ちによって締める」が語源で、関西では「手締め」のことを「手打ち」と表現するそうです。手締めはそもそも、行事などを取り仕切った人が協力してくれた人に感謝の気持ちを込めて「無事に終了しました」という意味で行うものだそうです。そのため仮に行事や宴会などに招かれた人が音頭を取ることを頼まれたとしても断るのが筋とか。手締めは地方によってリズムや回数、掛け声が異なるのですが、代表的なものは江戸締めと大阪締めだそうです。

もっともメジャーな江戸の三本締めでは、 シャン・シャン・シャン、シャン・シャン・シャン、シャン・シャン・シャン、シャンを3回繰り返し、3回で九になって、もう1回手を打つと九に点が打たれて「丸」になり「丸く納まりました」となるそうな。そしてなんで3回かというと1回目が主催者のご苦労さん、2回目が来客に来てくれてありがとう、3回目は行事がうまく行って良かったねということで3回するそうです。また、一本締めとか関東一本締めと言われるのは、本来シャン・シャン・シャン、シャンと3回するものを1回に略することを指すのですが、シャンと1回だけ手を叩いて終わるという一丁締めと勘違いしている人が多いようです。また、関西締めは全く違いまして、次のように打つようです。

「うーちまひょ」 シャンシャン
「もひとつせ」 シャンシャン
「祝うて三度」 シャシャシャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャシャン


となるそうです。最後に、わけわからんおっさんは三三七拍子いこかとか言う人もおりますが、三三七拍子はチャチャチャ(3)チャチャチャ(3)チャチャチャチャチャチャチャ(7)なのでお間違いなく。
当社は大阪の会社なので、今後は文化を継承するように関西締めを練習しましょうかねぇ。

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