Today's Notables 2010年05月
初めてのインドのはずが……
代表取締役社長 古市 尚
以前、この紙面でも紹介させていただきましたが、パナマのパートナー企業、NDT社のヌニェツ社長が、新しいビジネスのことでどうしても早急に会って話したいという連絡が入りました。急にそんなことを言われても、アメリカ方面に出かけるとすれば最低でも、4、5日は必要となるので、スケジュール調整のしようがありません。1週間空いている日程となるとどうしても3、4カ月先になってしまい、それではヌニェツ社長の要望にお応えできません。とスケジュールを見ると日本食品機械工業会(日食工)で行くインド視察旅行の日程が入っています。インドは行ったことがなく、私が日食工の青年部部長をしていた時にもインドに行く計画を立てていました。しかし、今も記憶に新しい日本人がホテルでテロに巻き込まれて命を落としてしまう事件が起こり、インド視察旅行の計画も変更せざるを得ませんでした。そんな経緯もあり、今回のインド視察旅行はとても楽しみにしていましたが、4、5日のスケジュールを一気に変更できるとすればここしかないと考え、やむなくインド視察旅行をキャンセルし、ニューヨークでヌニェツ社長と会うことにしました。
成田からニューヨークへ直行便で順調に14時間飛行し、JFK空港に向け着陸態勢に入ったのですが、強烈な風雨で随分と機体が揺らされているなぁと感じた瞬間、戦闘機のタッチアンドゴーの感覚で急上昇し始めました。「ああ、もう一回着陸のやり直しかな」と思ったら機長からアナウンスがあり、「あまりの風雨の強さにJFKには着陸できない。しかし、旋回して待てるほど燃料もないので、ボストン空港に向けて飛ぶ」とのアナウンスが流れました。機内ではため息としょうがないよなという空気が流れ、別に不満を漏らすような声も聞こえない沈滞ムードに包まれました。ボストン空港までは1時間もかからない程度で着きましたが、「招かれざる客」がニューヨーク方面の空港から一斉に押し寄せて、乗降ゲートは空いていません。仕方なく、滑走路の片隅で格納庫近くに駐機。その時の機長のアナウンスは「ゲートも空いていないので、ここで給油してもらって、JFKに戻るつもりです」でしたが、数分後には「JFK空港が悪天候による発着禁止措置が取られた」に変わってしまいました。 結局、地上の準備が整うまで、4時間飛行機の中で待たされました。飛行機による旅行で何度かこういったトラブルに遭遇したことがありますが、こんな時の航空会社の乗客に対する対応は結構興味深いです。今までの経験から色々なノウハウがあるのでしょうが、まず「何をどのようにしてもらいます」というような今後の予定は、最小限の次のステップまでしか言わない。たぶん、計画をすべて言って不満を持って言い寄る乗客がいたら、大衆心理でそのパワーが膨れ上がることを危惧して、すべての方針は明らかにしないのだと思います。指示は「とりあえず国際線なので、ここで通関をして手荷物を持って○○カウンターまで行ってください」としか言いません。しょうがないので言われるままにすると、カウンターでやっと翌朝にJFK空港に戻る便が用意されていることを知らされました。そして、ホテルや食事券の説明があり、それは支払っている航空券の値段によって細かく対応を分けているようでした。
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