Today's Notables　2008年10月

FEAST (フィースト) はラテン語の「祝宴」を語源とし、英語で大ご馳走や、もてなしという意味を持った言葉です。大ご馳走という日本語はなんだか変ですが、会席料理やフランス料理で一品ずつ出て来るような料理は、いくら美味しくってもフィーストという表現には合っていません。テーブルにところせましとずらりと並べられたご馳走、これがフィーストという表現に一番合っています。

というわけで、年に一度恒例となったFEAST旅行。メンバーはそれはもう多種多彩で、ハーバード大学でMBAを取得された経営コンサルタントや、食育に携わっておられる医学博士、食品のマーケティングやプロモーションの専門家などなど職種はそれぞれですが、共通点はみなさん異常に食い意地が張っているということです。今年は9名の「喰ってやるぞ〜」メンバーで台湾に乗り込みました。 毎年、海の日の連休を利用していることもあって、行ける範囲がどうしても限られてしまいます。フライト時間が5、6時間以上になってしまうと現地の時間も少なくなりますので、やはり理想的には飛行機で3時間ぐらいの範囲になってしまいます。そんなわけで、台湾も今回は2回目になります。前回はコーディネイター選びを失敗したようで、あまり感激はありませんでした。今回は同じ轍を踏まないように周到な調査、選定をして挑みました。

第一印象としては、前回の訪台が6年前でしたので、以前と比較して随分と街並みが綺麗になった気がしました。それと驚いたのは、異常なまでの日本語の氾濫です。勿論、過去を振り返ると日本語教育を受けられた方もいて、日本語を普通に使える方がいっぱいいるのは知っていますが、6年前の状況とは違い、日本人が英語や海外製品に憧れるのと同じように、日本のものをそのまま持ってきている商品が非常に多いことです。ホテルの近くにあった「そごうデパート」の地下に入っていたシティ・スーパーなどは、日本のスーパーよりも日本製品の品揃えが多いのではないかと感じるほどでした。しかも、その製品は全く日本国内と同じパッケージで売られているので、日本語の氾濫を感じたのだと思います。

さて、肝心の食事の方ですが、空港から直行で飲茶を食べに行き、朝昼晩、朝昼晩としっかり3日間3食、中華料理を堪能してきました。中でも印象に残っているのは英名The Landis Taipeiという杭州料理のレストランで食べたトンポーロー（豚の角煮）です。 このメニュー、当社の上海現地法人、プライミクス上海の社長である王さんの大好物で、上海でもかなりの回数トンポーローを食べていますが、ここのものは全く別物と言っていいくらい絶品でした。壷のような器で一人ずつに出された豚の角煮には、たっぷりとスープが注がれていて、そのスープはあっさりとしているのにコクがあり、旨みが十分に染み出している感じです。豚肉はもちろんお箸でスッと切れるくらいの柔らかさで、見た目には脂身はありますが、食べると全く脂っこさを感じず、驚きの1品でした。機会があれば是非プライミクス上海の王総経理に食べさせてあげたいものです。

絶品のトンポーロー

牛ヒレステーキ＋フカひれの姿煮

アツアツふかふかのおまんじゅう

その店では他にも驚きのメニューがあり、牛ヒレステーキの上にフカひれの姿煮をのせた「これでどうだ〜！」と訴えかけてくるような1品も供されました。個人的には別々に食べた方が美味しいのではないかとは感じましたが、このような組み合わせを体験できる機会はそうはないので、十分に楽しませてもらいました。
他にはデザートですが、以前に日本でも流行したようなエッグタルトのようなカスタードが使ってある「おまんじゅう」が印象的でした。アヒルの卵を塩漬けした「シェンタン」と呼ばれる卵の黄身が使われていて、甘さと塩味のハーモニーが絶妙で、しかもアツアツふかふかなので、素晴らしい味わいでした。他にも、この紙面では紹介できないくらいおいしいものをいっぱい食べました。

観光はお決まりの故宮博物院に行きましたが、ここも昨年改装工事が終了したようで、素晴らしく近代的に生まれ変わっていました。あとは現代の名所、台北101です。文字通り101階建ての建物で、高さは509.2mもあるそうです。現在ではドバイにあるビルに高さを抜かれたようですが、昨年までは世界一の高さを誇ったビルだそうです。ここにも日本の技術が随所に生かされていて、中でも東芝製のエレベーターは時速60kmを越え、5階から展望台のある89階までたった37秒で到達し、しかも驚くほど揺れも音もしないスグレモノでした。

最近はよくテレビなどで老後のロングスティが取り上げられていますが、寒い冬が嫌いな方には、食事がおいしく街も綺麗で買い物にも何の苦労もない台湾をお勧めしたいと思います。