Today's Notables 2006年12月
電池デバイス対策部 PEACE発進!
代表取締役社長 古市 尚
ご存知の通り当社の期末は11月20日となっており、今期で第59期を終える。この原稿を書いているのはその1ヵ月前であり、現時点では今期の成績を発表するまでには至らないが、おかげさまで目標達成に近い数字で推移している。11月21日からは既に第60期が始まっているわけだが、現在は中期経営計画「RESET」の遂行中であり、サステナビリティーを考え様々な角度からRe-Engineering(オペレーションの再構築)を計っている。今年5月に会社法が施行されたこともあり、それに伴った定款の変更も行った。その中で特に大きな変更は「会計参与」の設置である。会社法では、税理士や公認会計士、税理士法人、監査法人などを「会計参与」という役職で取締役会に迎えることが認められるようになった。会計参与は社内の人間として取締役とともに会計書類を作成し、決算書を承認する取締役会に出席しなければならないほか、計算書類に虚偽の記載がないか注意を払う義務を負う。これにより、第三者から見た決算の信頼性を高めるのが今回の法改正の狙いである。当社ではこの改定を受け、今まで監査役であった税理士の武本先生が、会計参与就任を引き受けてくださったので、今期から会計参与を設置することとした。
その他、今期から新たに取り組む大仕事は2つあり、1つは決算期を11月20日から3月末に移行することである。この件はお客様をはじめ、パートナー様各位にも締め日の変更や登録の変更などでかなりご迷惑をお掛けすることになってしまうが、現行の決算期では種々のデメリットがあり、今回思い切って決算期を変更することにした。従って、11月21日にスタートした期は4ヵ月と10日で決算を迎えるという変則的な決算になってしまうが、関係各位には何卒ご理解の上、ご協力賜りたい。
大仕事の2つ目は表題の部署を新設することである。現在、当社の営業部隊は化学/エネルギー課、薬/粧/食品課、サインポンプ課、海外課の4課があり、お客様の業界によって担当部署を分けているが、世の中の動向から、営業部隊以外にタスク・フォースなる特別対策部隊を立ち上げる必要性を感じ取ったからである。私が言う世の中の動向というのは、ズバリ電池のニーズである。携帯電話の保有台数は今や日本国内だけで9千3百万台を超えており、全人口の93%が携帯電話を持っている計算になる。世界に目を向けるとパソコンの保有台数は現在、5億7千万台と言われており、2010年には13億台になると予測されている。パソコンには何種類かの電池が使われているが、中でもラップトップには充電可能な2次電池が必需品である。そしてクルマである。化石燃料が高騰し、CO2削減が叫ばれる中、水素電池やリチウムイオン電池を活用したハイブリッド車の需要は高まる一方である。それ以外にも家庭で燃料電池や太陽電池を活用した設備も次々と開発されており、蓄電デバイスの市場規模は今後5年で183%の伸びと推測されている。
そのような背景の中、当社の攪拌機は現在も多くの電池製造工程で活用されている実績があるが、特許を持つ薄膜旋回型高速攪拌機が、製品の品質を格段に向上させながら、生産時間を劇的に短縮できる可能性があることが社内の研究で分かってきた。そこで、今期から「PEACE」という名称を持つ電池デバイス特別対策部を設置することとした。
PEACEは Process Engineering Achieving Clean Energy の略で、「クリーンエネルギーをもたらすプロセス・エンジニアリング」という意味と、頭文字で構成するPEACEは平和を指し、化石燃料に代わるクリーンなエネルギーでCO2を削減し、地球温暖化を防止する平和的な姿勢を示している。PEACEは単なる営業部隊ではなく、電池製造におけるプロセス・エンジニアリングに対するコンサルティブ・セールスをする一方、お客様のニーズに応えられるよう技術開発、設計、来社テストに関する専門部員を配属し、あらゆる角度から電池デバイス業界のニーズにお応えできる体制を引いている。また、設備も充実する計画で本社と埼玉支社に電池デバイス業界専用の来社テスト室を新設する予定である。
このように今期および、4月からスタートする新たな期に向けて精力的に活動して行く所存なので、ステイクホルダー各位のご支援ご協力をお願いする次第である。
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