Today's Notables 2005年09月

大連グルメツアー

代表取締役社長 古市 尚


ほぼ毎年、7月の連休を利用して、喰い意地のはったメンバーで食い倒れツアーをしている。ことの始まりは毎月積立金をして、普段では行けない豪勢な食事をしようという企画で始めたものだが、1回目に新橋の有名なステーキ店に行ったところ1人8万円だったことから、「これだったら海外に行き、日本では食べられないものを食べた方が価値を感じるのではないか」ということになり、それ以来、海外グルメツアーとなっている。

今までにはソウル、台北、上海に行ったが、現地の料理研究家などと詳細な打ち合わせをしないと、本当に美味しいものにはなかなか巡り会えない。どこの国に行っても市場に行くのが楽しみで、地場の食材を見ると食生活や文化の違いが実感できて実に楽しい。2泊3日だと行けるところが限られてしまい、再度、上海へ行こうと言う声もあったが、たまたま大連に詳しい方と出会ったので、今回は大連を訪れた。我々の年代になると満州の話などを聞く機会も少なく、満州と言ってもそれほど身近に感じることはないが、今回大連を訪れて、日本との関わりの深さを感じた。

満州は遼寧省、吉林省、黒龍江省の東北3省を言うが、大連は遼寧省の最南端にあり、遼寧半島の先端近くに位置し、三方を海に囲まれ海産物に恵まれたところである。大連市は1899年に成立しているが、1899年〜1904年はロシアの租借地であり、1904年の日露戦争以降1945年までの約40年間は日本の租借地であったため、建造物は中国の他の都市とは違い、異国文化の混在した独特の風情がある。当時の名残は各所に残されており、当時日本人の設計で作った建造物が数多く見られる。とにかく驚いたのは街が綺麗なこと。ゴミは少なく、自転車やオートバイがほとんど走っていないので、中国としては非常に特異な街と言えるだろう。なかでも婦人警官は大連の象徴のひとつでもあるらしいが、身長172cm以上が条件でほとんどがモデル学校の出身者らしく、モデルになれなかった人が交通局で教育を受け、婦人警官になるらしい。

肝心な食べ物の話だが、まず、海に囲まれていることから海産物は非常に鮮度が良く、種類も豊富である。日本人が好きな雲丹、鮑、海鼠などはサイズは大きいが、大味でもある。もちろん乾物にしたものも多いが、生で出すところもあり、現地の人も刺身で食べている。料理の味付けも租借地以来の名残か、日本人に合った味付けが多い。上海では甘味が強く、我々が食べると味にメリハリがなく、物足りなさを感じることが多いが、大連ではそのように感じることは少なかった。特に北の方は昔お米が採れず、小麦文化であることから、点心類は豊富であるが、中でも餃子専門店で食べた8種類の餃子は具材も形も様々で味も絶品であった。ホテルの朝ご飯には蚕が出ていたので食べてみたが、中身は卵のようにまったりとした深い味わいがあり、なかなかの美味であった。果物も豊富でスーパーでも果物の王様ドリアンや、女王と言われるマンゴスチンなどが売られている。

珍しかったのは「孫悟空の桃」と呼ばれる、押しつぶしたような干し柿のような平べったい桃で形は悪いが、甘味も強く美味しいものであった。来年は香港に行こうという話がでているので、また来年も食べたことのない料理や食材を食べられることを楽しみにしている。


大連港

大きい鮑と海鼠

海腸。絶品です。大連に行った際はぜひ。
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