Today's Notables 2005年05月
当社におけるブランド戦略
代表取締役社長 古市 尚
今から20年ほど前にも、CI(コーポレート・アイデンティティ)の重要性が叫ばれたことがあった。アイデンティティとはそもそも存在証明であるとか、独自性、固有性という意味を持つ言葉だが、コーポレート・アイデンティティとなると経営戦略のひとつで、シンボルマーク、シンボルカラー、ロゴデザインなどの視覚的手段を通じて企業イメージを顧客や社員にアピールすることを指す。しかしここ数年は、企業価値を上げるにはCIだけでは不十分で、CIをブランドとして育てていくことこそが重要だとされている。
日本でブランドといえば、ヨーロッパの服飾関係のブランドであるルイヴィトン、エルメス、グッチなどを頭に思い浮かべる人が少なくないと思うが、これらのブランド企業を見ても分かるように、日本経済が停滞する不況下でさえ、著しく売上を伸ばしている実態が顕著である。すなわち、ブランドが確立されれば、モノはより高く、より多く、より長く売れることが実証されている。しかしながら、ブランドの確立は一朝一夕に成し得るものではない上に、長年かけてやっとの思いで築いたブランドでも一夜にして崩れ去ることさえある。
話は3年程前にさかのぼるが、現在進行中の中期経営計画を作成する際からCI戦略は意識して経営計画を立てていたが、実のところブランド戦略のように包括的で理論立った戦略までは考えていなかった。ところが知人の紹介で、まったく別件で出会った方が、ブランド戦略の第一人者であることを知り、その方の事業内容や著書を読むにつれ、ブランド戦略の重要性を痛感し、社内で検討した結果、その方の会社に当社のブランド戦略のコンサルティングをお願いすることにした。その会社はグラムコ株式会社といい、独立系のブランディングファームであり、一流企業のブランド戦略を数々手掛けられている企業である。
グラムコの山田社長は「企業そのものや製品がブランドとなり得るには、お客様を筆頭とするステイクホルダー(利害関係者)がプラスになる良い体験や、良い印象を繰り返し受けることで、それらが記憶の中に蓄積され、人から人へと伝えられることで生まれる」 (図1) と説かれる。企業名や商品名がブランドとして確立されるには、様々なファクターが影響し、成し遂げるまでに遠い道のりがあるが、それらもブランディングという理論の元に計画的に推進していくことで、全社一丸となってブランド確立への取り組みができるという。
グラムコの山田社長は「企業そのものや製品がブランドとなり得るには、お客様を筆頭とするステイクホルダー(利害関係者)がプラスになる良い体験や、良い印象を繰り返し受けることで、それらが記憶の中に蓄積され、人から人へと伝えられることで生まれる」 (図1) と説かれる。企業名や商品名がブランドとして確立されるには、様々なファクターが影響し、成し遂げるまでに遠い道のりがあるが、それらもブランディングという理論の元に計画的に推進していくことで、全社一丸となってブランド確立への取り組みができるという。
画して当社のブランディングプロジェクトは昨年の10月からスタートし、グラムコのプロジェクトチームと度重なるミーティングや戦略策定のプロセスを進行中で、現在はブランドバリューの整理 (図2) というプロセスを終了し、ブランドの可視化に取り組んでいるところである。来月号ではそれらの可視化の部分も完成し、この紙面で発表する予定である。人間も第一印象が大切なように、企業にとってもシンボルマークやロゴは企業をイメージする際に非常に大切な部分であるが、グラムコの山田社長が言われる言葉で、肝に銘じておかなければならないことは「ブランドは人と真実でできている」ということであろう。
来月号のアッと驚く発表を、ぜひ読んでいただきたい。
項目 | キーワード |
---|---|
機能的価値 | 流体の攪拌と移送にまつわる最高の技術とソリューションの提供 |
情緒的価値 | ビジネスの新たな夢と可能性 安心 信頼 驚き 感動 |
パーソナリティ | 誠実で探究心あふれるビジネスパートナー |
戦略顧客 | Blendingに夢やビジネスチャンスを託す人々 |
メッセージ | Blending Science into Innovation. |
ポジショニング | 攪拌機分野において、あらゆる産業に対応する技術開発型企業 |
ブランドビジョン | PRIMEを追求し、MIXの未来へ |
参考文献:グラムコ株式会社 山田敦郎「探求メジャーブランドへの道」 株式会社税務経理協会 発行
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