Today's Notables 2003年08月

「国語に関する世論調査」に思う

代表取締役社長 古市 尚


過日、文化庁の2002年度「国語に関する世論調査」の結果が発表された。いつの時代も「今の若い者は……。」と言われながら、言葉もライフスタイルも変わって行くのであるが、それにしても最近の活字離れや日本語の乱れは著しいように思われる。しかし、今回の調査結果を2年前の調査と比較すると、「日本語が乱れていると思う」と答えた人が5.4%減少、「乱れていない」と答えた人は6.7%も増加し全体の17%にも達する。ファストフード店やファミリーレストランで「お会計のほう、○○円になります」とか「1,000円からお預かりします」というのはどうも耳障りでならないが、これが正しい日本語となる日もそう遠くないような調査結果である。カタカナ語についても近年かなりの単語が氾濫しているが、その調査ではどうも理解していない人も多いようだ。特にカタカナ語を推奨するわけではないが、あらゆるところでカタカナ語が出現し、ビジネスでは避けて通れない感がある。
私も改めて聞かれると返答に詰まる言葉もあったので、調査の結果理解度が低かったカタカナ語に、よく私が耳にする言葉を追加しリストを作ったのでご一読いただきたい。

外来語 語義
インフォームド・コンセント 医療を受ける際の十分な説明を受けた上での同意
コラボレーション 共同作業
アセスメント 評価、査定、判断
スキーム 公的な計画、枠組み
デジタル・アーカイブ デジタル情報で保管すること
トレーサビリティ 生産流通の履歴を追跡できる仕組み
タスクフォース 特定任務のため編成された部隊
エンパワーメント 権限の付与
メセナ 企業などによる芸術や科学の擁護、援助
ガバナンス 支配、社会的統括
エンフォースメント 法律などの施行、執行
インキュベーション 起業支援、育成
コンソーシアム 企業連合体
コンピタンス 課題を解決するための能力や技術
ステークホルダー 利害関係者
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