社報shinko〜親交〜 2010年06月号

会長レポート:モナコの休日 その2

会長 古市 實

モナコ滞在4日目は、周辺にある南フランスの村めぐりとして「ヴァンス」と「サンポール」を訪れました。サンポールでは石畳の細い路地を散策、大きな噴水が水をたたえ、小さな道の両側には16〜17世紀に建てられた家々が並んでいました。多くの芸術家を惹きつけた村でイヴ・モンタンもこの村を愛していたと伝えられています。お昼は、スミレ祭りで有名なトゥーレット・シユ・ルー村にて地元の魚料理をいただきスミレのデザートを味わいました。午後は、ヴァンスにあるアンリ・マティスが3年以上(1948〜1951)かけて創り上げた「ロザリオ礼拝堂」を参観し、白いタイル張りの床の上にステンドガラスから差し込む光が青や緑の影を落とし、コート・ダジュールの空と海を思わせる明るさに満ちて作られた荘厳な礼拝堂でありました。この町は青空と木々の緑、吹き乱れる花々、豊かな自然に囲まれた高台にあり、多くの画家達も集まって来るようです。

5日目は滞在地モナコの市内観光と午後はニースのカーニバル・パレードを楽しみました。先ず徒歩で約10分近くにある日本庭園を見学、日本ひいきだったグレース王妃が日本庭園を造りたいという望みを持たれていたので、王妃の死後1994年にレーニエ公の命により日本の造園家 別府保夫氏が担当して完成したとのことでした。その隣に国際会議場もあり地中海に面した風景明媚のところであります。その後バスで大公宮殿、グレース王妃の眠るモナコ大聖堂を参観、カトリック信仰であるモナコ皇室の公式行事が行われている場所で、グレースとレーニエ3世の結婚式を挙げられた所で公国歴代主君の墓所でもあります。誠に立派な聖堂でありました。丁度、大公宮殿前広場で11時55分から衛兵交代式行事があるというので、急いでバスに向いました。思ったより簡単な衛兵交代式でした。
昼食後、ニースの街に行き、当地で最も大掛かりで歴史的に有名なカーニバルを参観することができました。このカーニバルは、13世紀には既に有名だったと言われ、巨大な人形を乗せた花車や、にぎやかな音楽を奏でる楽隊、思い思いの仮装を凝らし、踊りはしゃぐ人々で広い通りをパレードして、見物人を楽しませてくれました。舞い散る紙吹雪や、飛び交うバクダン(液状プラスティックを詰めたプスプレー)固まれば簡単に取れるが、底抜けの大騒ぎが繰り広げられ、いかにも南仏らしい陽気なお祭りで約2時間があっという間に過ぎました。

6日目は残念ながら1日中小雨が降り続いていました。幸い、自由日程であったので、希望者数人で電車に乗り、アンティーブのピカソ美術館を参観後、タクシーで地中海岸を40分ドライブ、絶景を見ながらカンヌを訪れました。5月だったらとても華やかで活気溢れた街となるが、シーズンオフで大変静かでありました。世界中のムービースターが集まって映画祭が行われるパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コンクレという洗練された建物を見学しました。この前の石畳 にはここを訪れたスター達の手形がずらりと並んでいました。
カンヌからモナコへ帰る地下鉄は、ヨーロッパで一番豪華と言われておりましたがそう感心するほどではありませんでした。しかし、モンテカルロ駅で下車したところ、駅はシンプルなのにゴージャスな雰囲気でありました。同駅は1999年に新設されたモダンな地下駅で出口が2方向にあり、出口を間違えると全く方向が判らなくなってしまいます。 プラットホームからエスカレーターでロビー階に上がり、奥のエレベーターで最上階まで行き、更に昇り、エスカレーターに乗換え、やっと地上階に出ました。モナコ港を見渡す丘の中腹と言う感じでした。家内と2人で下り道を約1時間歩いて、周辺の建物や公園を通り抜けホテルに辿り着きました。
途中で見たモンテカルロのグランドカジノとオペラハウスが一緒になっているゴージャスな建物、パリのオペラ座ガルニエを設計したシャルル・ガルニエの見事な建築と部屋の装飾が素晴らしかったのに感動しました。特に夜にはライトアップされて隣接のホテルド・パリと並んだ広場前には大きな噴水があり、ロータリーの花壇が様々の花で美しく色とりどりに咲き乱れ、心を癒してくれました。

今回の旅は同じホテルに泊まって、余り無理のしないツアーだったので、南仏の伝統に触れ、食事は新鮮な野菜や肉、魚や鳥などどれも美味しく、お祭りやカーニバルも見物し、平和で優雅なモナコの一端をうかがうことができました。良い思い出となる旅でした。

写真1:ニース カーニバルパレード
写真2:正面グランドカジノ(オペラハウス)、右ホテルド・パリ

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