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早くも第4回目を迎える、使い方みなおし隊。今回はたくさんの生産ラインにてご利用いただいている連続式分散・乳化機「パイプラインホモミクサー」について、トラブル事例とメンテナンス方法をご紹介します! ***
連続式のパイプラインホモミキサーは、軸封に「メカニカルシール」を使用しています。メカニカルシールは、回転側と固定側の2面が接する摺動面のごくわずかな隙間(数μm単位)に液体を潤滑させ、高い密封性を保持するしくみです。
弊社のパイプラインホモミクサーに使用しているメカニカルシールには主に2種類の方式があります。
●シングルメカニカルシール 1組のメカニカルシールでシールする方法です。
インサイト(処理液内)にメカニカルシールを設置し、処理液で摺動面を潤滑させます。そのため、潤滑性の高い処理液やスラリー分が少ない処理液などの場合に使用されます。
●ダブルメカニカルシール 2組のメカニカルシールでシールする方法です。
スラリーや熱硬化性、危険性(有毒、引火性など)のある処理液など、1組のメカニカルシールだけのシール性能では不安定な場合に使用されます。
ダブルメカニカルシールは、アウトサイド(処理液が流れる管の外)にメカニカルシールBOXを設け、BOX内を封液で満たすことによって摺動面を潤滑させます。BOX内の封液はメカニカルシールの摺動熱で温度が上昇していくので、冷却する必要があります。
どちらの方式も、摺動面にキズがつくと液漏れのトラブルが発生します。今回は3つのトラブル原因とメンテナンスのポイントをお届けいたします。
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(1)シングルメカニカルシールは空運転しないでください。
シングルメカニカルシールは、摺動面の潤滑液にミキシングする処理液を利用しています。液のない状態で運転させますと摺動面にキズが付くなどし、破損につながります。
(2)ダブルメカニカルシールの封液には不純物がないように注意してください。
ダブルメカニカルシール仕様の場合、処理液ではなく封液を用いてシールしますが、この封液内に不純物(異物)が入ってしまいますと、摺動面のいたみ破損の原因となります。
(3)ダブルメカニカルシールの封液の圧力に注意してください。
封液の圧力は管内の圧力より0.1MPa高くし、使用してください。封液の圧力が管内の圧力より低くなってしまうと、処理液がメカニカルシールBOXへ流れこみ、メカニカルシールの破損や漏れの原因となる可能性があります。
最後に、メンテナンスのポイントとして、使用後はできる限り管内を洗浄されることをおすすめいたします。特に硬化性や粘着性の強い液体の処理の場合、使用後にそのまま放置するとタービン軸とタービン軸受けの間に入った残留物が硬化、固着し運転ができなくなってしまいます。メカニカルシールの摺動面やスプリングにそれらが固着してしまうと、メカニカルシールが破損したりシール効果をなくしてしまうこともあります。
また、定期的に分解洗浄し、タービン軸受けの摩耗がないかなどの点検も行っていただけると、修理部品を少なくすることにもつながります。
 お客様の使用条件や処理液に合わせたメカニカルシールの形状や材質をご提案させていただきます。
液漏れなどでお困りの方はお気軽に弊社のメンテナンス課へご連絡ください。
サービス部
▼東日本メンテナンス課:
Tel.049-223-4001 ▼東海メンテナンス課:
Tel.052-253-6261
▼西日本メンテナンス課:
Tel.06-6458-7534
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