Today's Notables 2011年02月

世界料理カンファレンス WORLDS OF FLAVOR(1)

代表取締役社長 古市 尚


さる2010年11月4日〜6日までの3日間、カリフォルニア州ナパバレーにある世界屈指の料理大学、カリナリーインスティテュート オブ アメリカ(通称CIA)のカリフォルニア分校で食の教育イベントが行われました。話は約2年前に遡りますが、毎年行われているこのイベントのテーマを「JAPAN」としたいという意向が学校側から伝えられ、今回の日本側責任者となられたトーマス&チカライシの力石さんが中心となり、この一大イベントを引き受けたわけです。ご承知の通り、私はCIAのニューヨーク本校を1987年に卒業しており、卒業後も同窓会活動や仕事を通して学校と連携した活動を行ってきております。今回はこのイベントを日本側が引き受けるにあたって、CIA日本同窓会の代表として準備委員会発足当時から委員をお引き受けした次第です。
このイベントの正式名称は WORLDS OF FLAVOR INTERNATIONAL CONFARENCE&FESTIVALといい、アメリカの食産業界においてはトレンドを左右する重要なイベントとして位置付けられています。今までのテーマはアジアや地中海といった地域であったり、ストリートフードなど食の形態であったりしましたが、文化とともに国をテーマとして挙げられたのはスペインに次いで2カ国目となります。その背景には、アメリカはたいへんな日本食ブームになっており、もうトレンドと言って片付けられない位置付けになっています。寿司や豆腐はごく一般的にローカルなスーパーマーケットで売られているように、メニューによってはすっかりアメリカに定着しているものもあります。一方、外食業界では「日本料理」を謳うレストランは海外に3万店舗あるといわれていますが、そのうち、日本人が経営しているのは10%未満の3千店舗に届かないともいわれています。
その様な背景の中、世界を代表する食の教育機関であるCIAは、日本食に注目が集まる一方で、正確な日本料理がアメリカに伝えられていないことに着目し、日本食をテーマに取り上げたわけです。日本事務局では2年前から準備を進め、このイベントに協賛していただけるメーカーなどの企業集めや、このイベントの趣旨に共鳴してくれるトップシェフの人選などを進めました。準備委員会では服部栄養専門学校の服部校長、辻調理師専門学校の辻校長を始め、調理人としてはミシュランで3つ星を持つ、菊乃井の村田さん、京都吉兆の徳岡さんや日本料理以外からサミットの料理長を務められた三國シェフなどに委員になっていただき人選を進めました。
今回の参加は全くのボランティアにもかかわらず、事務局や委員の方の努力の結果、各分野を代表するトップシェフの賛同を得ることができ、参加していただけることになりました。ジャンルはそば、うどん、ラーメン、お好み焼き、焼き鳥、江戸前寿司、大阪寿司、串揚げ、すき焼き、天ぷら、郷土料理、懐石料理、和菓子と広範囲にわたり、合計39名の料理人の方が現地ナパバレーに出向いてデモンストレーションや試食メニューを作ることに承諾いただけました。特に、懐石料理の分野は稼ぎ時の11月にもかかわらず、京都から11名の超有名店の料理長が参加してくださったことは正に日本代表チームと呼ぶにふさわしい顔ぶれとなりました。(3月号へつづく)
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