Today's Notables 2003年12月

社員が活躍できる土壌作り(1)

代表取締役社長 古市 尚


プロ野球も今年は阪神のリーグ優勝に沸き、残念ながら日本一にはなれなかったものの経済効果には大いに貢献したと思われる。しかしながらシーズンオフに入り「西武ライオンズ松井稼頭央選手FA宣言、大リーグへ」というニュースが入ってきた。このようなニュースを聞くたびに、また優秀な選手が海外に行ってしまうのかと落胆する。本人達にとっては世界の桧舞台で強豪達にもまれることによって、一段と能力も発揮できるだろうし、自分の実力を世界で試すにもいい機会である。また、NYヤンキースの松井秀喜選手、シアトルマリナーズのイチロー選手、サッカーの中田選手のように実際に大活躍してくれると、同じ日本人にとってもたいへん誇らしく喜ばしいものである。しかし、手放しで喜んでいていいのだろうか。

私はそのようなニュースを聞くたびに、「あぁ、また税収が減った」と思う。世界で活躍する日本人の年収の総額がいくらになり、その所得税がいくらになるかを調査した資料は見つからないが、ひとりで何億円も取っているのだから、おそらく税収にしても数十億円の損失であろう。スポーツ選手は世界で活躍してまた日本に帰ってきてくれればいいし、中田や佐々木のように投資家となって日本のスポーツ界を支えてくれる人はいいが、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授などは、青色発光ダイオードの特許権に関して、元勤務先の日亜化学工業を相手取って200億円の訴訟を起こしている。

日本はただでさえも高齢化と少子化で労働力が減少しているのに、世界に誇れるものまで日本から流出すると、衰弱化がいっそう加速する。優秀な人材が活躍できる土壌を作れない日本にも問題があるが、労働力が減少して経済が発展した例はないので、何らかの手を打たなければとんでもないことになってしまうだろう。元大分県知事の平松守彦は「グローバルに発想しローカルに行動せよ」と唱えられたらしいが……。」などということはもう起こり得ないともいわれている。現状況下で売れないものは景気がよくなっても売れない。来たるべき年も特殊機化工業(※)は各人がプロフェッショナルを目指して、社会に貢献できる企業を目指そうではないか。私は優秀な社員が活躍できる土壌作りに専念し、グローバルに企業のあり方を考えていく。(つづく)

※2005年11月21日、特殊機化工業株式会社は「プライミクス株式会社」に社名変更しました。

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