社報shinko〜親交〜 2011年07月号

会長レポート:卒寿に想う

会長 古市 實

本年3月30日数えで90歳、旧暦で言う卒寿であるが自分ではそんな気がしない。前会長の父 修次は米寿(88歳)の年「すずらんの園」を提案し、地元福島区内に身障者の生涯自立のための技術修得の場を造るのに情熱を燃やしていた。また創業者のひとり、伯父 古市 勉は91歳から5年間当社の2階(現社長室)にて、古市研究所分室として海外情報や技術文書作成など、株式会社神津製作所名誉会長を兼務しつつ、当社相談役の職務を務めていたのである。

祖父古市直之進は明治の初期、埼玉県忍町(現行田市)進修館の教授として教育熱心であった。明治15年第1回の県会議員に推薦され、明治24年には町長(現市長)になり通年20年ほどその職にあった。明治33年には行田−吹上間に鉄道馬車を開設して、初代社長を兼ねたり、町にポプラ、クローバー、種なし柿の植林や養豚、食用蛙を勧めたり名町長と言われたそうである。76歳で亡くなる数日前まで芸者数人と宴会をやっていたとのことである。

古市家は長寿の家系であったので、私も恵まれた環境に感謝しているのである。父は健康のため、生にんにくをコロイドミルにて破砕し、若干のぶどう酒を混ぜ、カプセルに収め「ホモグレニン」と名づけ毎日朝食後に愛飲していた。また広く有志にも勧め、約200名の会員に実費で提供していた。「すずらんの園」の運営にも、父母の会のみなさんと共に様々なものを考え、資金作りに協力していた。また園児の送迎用にダイハツ工業に電気自動車の乗用車も発注されて、2年間ほど使っていたが故障が多いので廃車になったが、当時としては大した発想であったと感心させられた。

伯父は93歳までゴルフを楽しんでおり98歳で亡くなるまで、英字新聞や英語マガジン、技術書を読み続けていた。若い時は、三井物産勤務で豊田自動織機製作所の発明王 豊田佐吉さん、同長男のトヨタ自動車を創業された豊田喜一郎さんとは仕事の関係で知り合い、英国や米国、中国をご一緒させていただいたようである。このご縁で当社ならびに神津製作所の創業にも繋がったのであった。

私も先祖の遺志を受け継ぎ、奉仕の精神で諸団体のお世話を通して社会に貢献し、健康に留意しながら2020年を目標に歩み続けたいと思っている。このたびの東日本大地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに一日も早い復興を祈っている。

写真:卒寿お祝いのケーキ(4月 決起大会の懇親会にて)

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