社報shinko〜親交〜 2009年09月号

フィルミックス® 40-40型 開発レポート

電池デバイス対策部 PEACE 中西 照

2009年6月8日、フィルミックス®シリーズの新機種「フィルミックス® 40-40型」が発売されました!この新発売を記念して、設計担当として開発プロジェクトに参加した私から、開発秘話を少しばかりご紹介いたします。

■小型フィルミックス®の開発に至る経緯

まず、なぜ今この時期に小型のフィルミックス®を開発しなければならなかったのでしょうか?フィルミックス®は発売から12年が経過しておりますが、現在までに300台ほどしかお客様にお届けすることができていません。その理由の1つに、フィルミックス®は今までの攪拌原理とはまったく違った革新的な攪拌技術がゆえに、来社テストだけではお客様にフィルミックス®の効果を存分にお伝えすることが難しかったことがありました。そこで、もっと手軽に多くのお客様にフィルミックス®の乳化、分散効果を体感していただくために、開発プロジェクトが立ち上がりました。
開発期間を1年間と限定し、新型モータの開発、小型攪拌部の設計、デザイナーの游佐氏によるNewデザイン……、すべてが同時進行で進み多忙な日々でした。その中で私が苦労した点は、普段設計している56型、80型と同等か、それ以上の技術を40型のひと回り小さいボディに詰め込むことでした。また、プロジェクトメンバーの40型に対する想いは熱く、発売日が数週間後にせまってきても細部にわたって多くの意見が飛び交い、それらを短期間で設計、製作に盛り込みました。

■プロジェクトメンバーの想いの結晶

それでは次に、そんなプロジェクトメンバーの想いが結んだ結果をご説明します。
40型の一番の魅力は、何といっても周速40m/secでの超高速回転を、わずか30mLの手軽な実験レベルで試験できることでしょう。さらに使いやすさを重視した設計で、容器の装着も簡単になっています。今まではオプションだったデータロギングも標準装備しました。手書きでデータを取りながらテストをしなくてすむのも、うれしい機能ではないでしょうか。 そして、このデザイン! フィルミックス®シリーズは、小型の試験機から大量生産機まで一貫したデザインを採用しました。研究室の机に置いても、試験機には見えないくらいカッコいいですよね!

フィルミックス® 40-40型はプロジェクトメンバーならびに関連パートナー、社員一人ひとりの努力で、これまで以上にとてもイイ機械に仕上がったと思います。この新機種が日本中、いや世界中の研究者のスタンダードモデルとなり、お客様の元で新たな製品開発の手助けになればと、プロジェクトメンバーは願っております。
さあ、次にフィルミックス®の素晴らしい攪拌技術を体験するのはあなたです!
Alea jacta est!(賽は投げられた!)
世界中に舞台が広がったフィルミックス® 40-40型をよろしくお願いいたします。

<フィルミックス®小型試験機開発プロジェクト>
 プロジェクトリーダー: 澁谷 治男
 メンバー: 飯田 和彦 浅沼 聡 松田 崇邦 勝久 淳二 有村 敏郎 春藤 晃人 中西 照
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