社報shinko〜親交〜 2007年07月号

上海レポート:中国マーケットについて

上海譜莱密克司机械有限公司 副董事長 植村 徹夫

創立80周年記念式典で上海近況をご報告したばかりなので、今回は中国マーケットについて少しご紹介しましょう。
日本企業の対中直接投資は1999年以降伸びつづけていましたが、2006年には前年同期比31.4%と減少しました。今後の見通しとしては、工業製品の多くが過剰生産になっていること、中国政府が国営企業や地場企業の保護を目的に外資導入政策を変えつつあること等から、特にコスト削減を目的とした製造業投資はしにくくなると考えられています。一方で、所得水準の向上を背景に拡大する中国の国内市場を狙う企業は増えており、流通業やサービス業など非製造業分野での投資増加は続くと考えられます。中国マーケットを牽引する上海においてはこの動きが顕著で、人口13億人の中国マーケットにいかに販売展開するかが日本企業の課題となっています。

日本企業が中国消費者をターゲットにして、上海に進出する場合、まず上海にいる日本人への販売を考えます。上海にいる日本人は4万人とも5万人とも言われ、短期ビザや長期出張者を合わせると8万人とも10万人とも推定されます。しかし、上海の日本人マーケット内での競争は、日本と同じ質の商品やサービスを現地価格で求められるケースが多く、過当競争になっているため、商売として難しいのが現状です。これは何も非製造業にかかわらず、当社も随分苦労しているところです。日系のお客様への商品の提供は「品質は日本、価格は中国」が口癖です。もっともプライミクス本社にいたってもそうですがね!

今後は中国人消費者をターゲットにした販売戦略が必要となりますが、中国人消費者市場における日本企業の成功はごく一部で、「富裕層」のみならず「新富裕層」への取り組みが大きな鍵となります。中国での乗用車、薄型テレビ、化粧品市場での企業戦略は、今後のマーケットを占う道しるべになるでしょう。これについては紙面の関係上次回の報告に委ねます。
写真:2007年国際化粧品展示会にて

※参考文献:ジェトロ上海センター 花田美香さんの「中国マーケット戦略」

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