社報shinko〜親交〜 2006年10月号

会長レポート:地中海クルーズ(中編)

代表取締役会長 古市 實

7月4日午前8時、イタリア、ジェノバに次いで2番目の大きな港、リボルノ港に入港した。文化の中心地トスカーナ地方、ルネッサンスの都フィレンツェ、斜塔で有名なピサまでは貸切バスで約1時間の位置にある。ピサの斜塔は2001年から頂上まで登れるということで、係員がチケットを用意してくれた。1度に入場できるのが40人、所要時間35分という制限があるので、観光客が気長に待っている様子だった。10時に予約券で入場し、55mの筒型の鐘楼頂上まで約10分程、体を斜めにしながら割り合い楽に登れた。最上層と最下層でおよそ3mのズレがあるそうだ。上から見下ろすドゥオーモ(大聖堂)、ショパンニ・ピサーノ作の14世紀の説教壇が、ロマネスク様式の扉でイスラム式ヨコシマ模様の大理石の大きな建物におさまっている。またその後ろにあるゴシック様式の洗礼堂が見事だった。世界的に有名なのもうなずける。ここから約1時間バスに乗り、歴史的にも芸術的にも素晴らしい教会、宮殿、博物館のあるフィレンツェに向かった。15世紀に建てられたサントスピリト聖堂やピッティ宮殿など、イタリア王朝時代の華やかさが伺われる。街も美しく、見る所が多いが、帰船の予定があるので約1時間半のドライブで午後6時に船へ戻った。

午後7時からアメリカの独立記念日ということで、8階のプールサイドでカクテルパーティが催され、夕食後、ワールドカップのドイツ対イタリア戦が大きなホールでテレビ放映され、多くの乗客が楽しんでいた。船内にはカジノ、ビューティサロン、スパ、フィットネス、図書室、インターネットポイント、医務室もあり、時間が経つのも早く、あっという間に毎夜11時過ぎになった。

7月5日の朝は、フランスのコルシカ島、ボニファシオ港に着いた。古代からの要塞都市で、白い石炭岩の細長い半島の南端にあり、ローマ時代にトスカーナのボニファシオ伯爵によってここに城が築かれた。12世紀のサンタマリアマジョール教会をはじめ、「山と海が出会う場所」と言われ、イタリアとフランスの歴史が染み込んだ地として有名である。沖に船が停泊し、テンダーボートで上陸。港からミニ列車に乗り、山の手の旧市街を見学した。中世の要塞や聖フランシス修道院、ゴジックのアーチや柱を持つお墓など、約2時間で古き時代の遺跡をめぐった。そのあと、マリーナから遊覧船に乗り、街の山頂に見える断崖、絶壁のある無数の洞窟などを海側から案内してくれ、一層興味をひいた。この日は半日観光だったので、午後は休養し、夜の船長主催のウェルカムディナーに、私はタキシード、家内は和服で出席した。

7月6日朝、フランスのサントロペ港に着いた。この街は芸術家が集まるコロニーとして人気のあるところで、ブリジット・バルドー主演の映画『素直な悪女』が撮影されてから特に世界中の有名人が押し寄せ、小さな漁港が一躍有名になったようである。港には豪華なヨットやパステルカラーの家が建ち並び、最新のブティックなど高級品を売る店も多くみられた。港からバスで約20分程の海辺の入口にあるPort Grimaudというレジャータウンに案内された。1960年代に人工で作られたところで、海に少し入り込んだ水路から約25m位の幅で数条の運河が張り巡らし、その両側に古いプロバンス風の家が建ち並んでいる。裏口にはヨット、クルーザーが停留しており、その数1千隻というスケールの大きさに感心したのであった。(11月号へつづく)


サントロペ港

Port Grimaud(絵葉書より)
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